遠征日誌No.4(6月15日) レフリー小野塚

Kick Off 14:00(35分ハーフ) Hassell Park
ST.Ives vs Dundas Valley
(Home)     (Visitor)

 ホポイさんの案内でSASを13時頃に出発し、車で走ること30分、
ST.IvesのホームグランドであるHassell Parkに到着。
既に、第5Grade、第4Gradeのゲームは終了し、第3GRADE
のゲームが始まっていた。

 クラブハウスの周囲には、家族やプレーヤーらしき人達が沢山いて
とてもいい雰囲気であった。クラブハウスの2階でアセッサーのSimon
Brownさんを紹介され、簡単なアドバイスをもらってすぐにKick
Off。

 ゲームは第2Grade。日本のプレーヤーほどスピーディーではないが、
プレッシャーを受けたなかでもミスをしないスキルを持ち、とてもパワフル
なコンタクトは非常に素晴らしかった。また、こちらのプレーヤーは、皆が
反則をしないという意識をとても高く持っていることを実感した。プレーの
激しさとクールな判断力を兼ね備えているハイレベルなプレーヤー達であっ
た。

 ゲームは一進一退。結局、17−18でVisitorが勝利。プレーヤー
達の「Thanks Sir.」「Thanks Ref.」の言葉に感激
しながら、レフリーのステータスの高さを改めて感じた。

 アフターマッチファンクションはまさしく「宴会」。その場にいる人たち
全てがひとつになって楽しみ、お互いをたたえあっていた。そして始まった
恐怖の「イッキ飲み」。両チームのキャプテン、両チームのMVP、そして
驚いたことに3歳のプレーヤーが誕生日ということで、その子にも「イッキ
飲み」をやらせた(中身は水でしたが)。

 次に「日本からきたレフリー!!」と呼ばれ、強引に前に出された。「I
can’t drink(本当に飲めない)」と必死に叫びましたが、許し
てもらえるはずもなく、無理やり飲まされた。3〜4回ゴクゴクッと飲んで
から「ブッー」と吐き出したらブーイングの嵐!!でもみんな喜んで拍手を
してくれた。そしてST.IvesのオーナーからチームのCapとCup
Holderをプレゼントされたうえに「今日のBest Ref.だ」と
言ってもらった。社交辞令であるとわかっていてもとても嬉しいことである。
帰りの車中で「これがラグビーなんだよ」とホポイさんが言った。まさしく
その通りである。

 ラグビーをはじめて26年。初めての経験が、自分のなかにあるラグビー
観を変えてしまったような気がした。