第7回東日本クラブ選手権大会初の有料試合で

決勝戦は曼荼羅(東京)−勝沼クラブ(山梨)の対決

11月3日(祝)駒沢陸上競技場で、第7回東日本クラブ選手権大会・決勝戦が初の有料試合として実施されることになりました。決勝戦に進出したのは、東京代表の曼荼羅(まんだら)クラブと、山梨代表の勝沼クラブ。関東協会管下17都道県の予選参加チーム・700余チームの頂点に立つのは曼荼羅か勝沼か? クラブチーム初の有料試合で、チームのみならず、街のクラブチーム関係者の多くが熱い視線を送って注目しています。前売り入場券がクラブチームだけで既に2,000枚も売れ、前評判は上々。クラブチームの試合だからと侮ることなかれ。レベルの高い一戦が期待されます。

<期日>11月3日(祝)12:15KO 曼荼羅―勝沼(東日本クラブ選手権決勝)
           14:00KO 東芝府中−伊勢丹(東日本社会人リーグ)
<会場>駒沢陸上競技場(東急新玉川線、駒沢大学駅下車10分)

<入場券> 中央席―1,500円
      一般席―1,000円
*各プレイガイドで発売中。当日券もあり。


<東日本クラブ選手権大会とは>
関東ラグビー協会傘下17都道県には850チームを越える「クラブチーム」が登録され、全登録数2,400余チームの約3分の1を占めている。いわゆる街のクラブチームは、大学や社会人チームと異なり、ラグビーが好きな人なら年齢・国籍・ラグビー経験の有無などにかかわりなく、全員参加を旨として活動している。そんなクラブチームを対象に、関東協会では7年前、全県、全クラブを網羅したクラブの大会を作ろうと、クラブ委員会を中心として大会作りを進めた。そうして出来上がったのが、全都道県で予選を実施し、その優勝チームがトーナメント戦で覇を競う「東日本クラブ選手権大会」であった。
この大会の創設は、特に地方のクラブチームに光を当てる効果をもたらした。それまで、中央に出る機会がほとんどなかった地方クラブは、この大会の発足を契機に着々と地域に根差したクラブ作りを始めた。他方、強さを求めるチームも確実に力を付けてきた。今や、クラブのトップチームは社会人チームに匹敵する実力を有するといっても過言ではない。


<決勝戦のあゆみ>
第1回大会(江戸川) エリス(東京)  15−6  くるみ(東京) 第2回大会(江戸川) 北海道バーバリアンズ(北海道) 17−10 くるみ(東京) 第3回大会(江戸川) イワサキ(茨城) 39−3  高麗(東京) 第4回大会(江戸川) イワサキ(茨城) 22−3  曼荼羅(東京) 第5回大会(江戸川) イワサキ(茨城) 24−10 勝沼(山梨) 第6回大会(熊谷)  曼荼羅(東京)  14−3  三洋(群馬) 第7回大会(駒沢)  曼荼羅(東京)    ?   勝沼(山梨)

大会は第1回大会でエリスーくるみという東京勢同士の対戦があったが、第2回大会では、北海道のバーバリアンズが優勝するという大金星を挙げている。バーバリアンズは、札幌に根差したクラブで、クラブチームとして唯一ニュージーランドとの間でラグビー交換留学生制度を持つ。かつて、サドラー、フィルポットなどが在籍し、北海道勢としては、大学や社会人に先駆けてクラブチームが初のタイトルを獲得したことになる。第3回からはイワサキ時代が始まる。東京タワーや名古屋ドームなどの照明設備で名を馳せた岩崎電気(東証1部上場)が茨城県真壁郡大和村にある茨城製作所内に素晴らしい芝生グランドとクラブハウスを作り、それを一般市民に開放した新しいクラブ組織を作り上げたのだ。初代監督に徳増浩司氏を迎え、現在は地元茨城県大宮町出身の元・新日鉄釜石PR・長山時盛氏が率いている。
イワサキの後を受けて東日本の覇者に躍り出たのが、曼荼羅(東京)であった。予選に当たる東京大会では100点ゲームも飛び出す大強豪にのし上がった。果たして、今年の覇者は曼荼羅か、勝沼か? また、今後どのようなタイプのクラブチームが出現するのか、興味津々である。

<決勝戦のみどころ>
曼荼羅クラブ(東京)は、吉祥寺にあるライブハウス「曼荼羅」に集まってきたメンバーを中心に1975年11月に結成された。東京の西部地域を中心に活動している。創立者であり(株)曼荼羅企画の社長でもある渡部洪氏は、国立高校の監督も務め、高校生の育成にも尽力している。彼が育てた高校生が大学に進学し、卒業するとまた曼荼羅に入って来るケースも多いという。そんな中で、国立高から早稲田大学へ進んだ者たちが、早大ラグビー部のOBを誘ってくるようになり、山羽教文、渡辺大輔らかつて早明戦を沸かせたスター選手が、社会人チームではなくクラブチームである曼荼羅に入るようなルートが出来上がっていった。
他方、勝沼クラブは1967年の創設。今年30周年を迎えた。山梨県のラグビー処・勝沼町を本拠地とし、日川高校OBが中心となった地域密着型のクラブチームである。昨年まで山梨県には社会人チームが一つもなく(昨年、東京洗染が発足)、高校や大学の卒業後の受け皿は、クラブチームが唯一の存在であった。そんな中で着実に力を付けてきた勝沼クラブは、JAPANの梶原宏之、吉田浩一(元リコー)、飯島健(元筑波大)らを擁する強豪チーム。
決勝戦までの歩みを紹介しておこう。曼荼羅は1回戦から圧勝してきたが、準決勝で新潟県の北斗クラブ(新潟工のOBらで結成)に思いのほか苦戦した。しかし、決勝戦はベストメンバーが揃い、山羽主将は「クラブチームであっても大観衆の前でプレーが出来るのかと思うとゾクゾクする思いです」と語っている。彼は、早大時代と変らぬ情熱家。本大会の1回戦は菅平高原で行われたが、メンバー一同が乗ったバスを菅平ダム前で降り、一人グランドまで走って範を示した。
勝沼クラブは、1回戦から僅差の試合が多く、その分もまれて勝ち上がってきた強さがある。特に、10月12日の準決勝、対三洋クラブ(ノフォムリ、ナモアを擁する三洋電機OB)戦は、22-7で最後の最後まで勝敗が解らぬ試合展開であった。
決勝戦は、早大OB勢が主力を占める曼荼羅と、山梨県勝沼町という地域に根差した勝沼クラブの、文字どおり一騎打ちとなろう。


<全国大会につながる>
ところで、東日本クラブ選手権大会の成功は、日本協会の認めるところとなり、4年前からは「全国クラブ大会」が発足している。
クラブの日本一を決定する大会が出来たことで、今度は全国のクラブチームがこの大会を目指すようになった。全国大会は、三地域それぞれのクラブ大会(関東協会―東日本クラブ選手権大会、関西協会―関西クラブリーグ戦、九州協会―全九州クラブ大会)の上位チーム(関東3、関西3、九州2―計8チーム)がトーナメント戦で覇を競うもので、三地域協会が持ち回りで主管している。今年は九州協会の管轄で、年末年始(12月31日〜1月4日)に熊本県・八代市陸上競技場(熊本国体開催予定地)で開催される。関西では、神戸製鋼OBの林、加藤などを擁する六甲クラブ、在日朝鮮人で結成されたチョンリマ(千里馬)クラブなどが関東勢を迎え撃つことになる。


<3位決定戦もお忘れなく>
全国クラブ大会の関東協会の出場枠は3つである。ということは、東日本クラブ選手権大会第3位までが出場できることになる。そこで、この大会の3位決定戦が行なわれることになった。3位決定戦は、文字どおり全国大会へ出られるかどうかがかかった大切な一戦。準決勝で敗退した新潟県の北斗クラブと、群馬県の三洋クラブとが対戦する。こちらも熱い戦いとなりそうである。決勝戦の前日に行なわれる3位決定戦もお忘れなく。たくさん観戦にお越し下さい。

1.期日  11月2日(日)13時00分KO
2.会場  熊谷ラグビー場Bグランド